天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

おのひづめ

遠方から親族が集まり遠野ランチ。

見た目も味も驚きに満ち満ち口々に「わあ」と「うまっっ」の連続。

自家製チーズ!と冬のホットほや(ミルキー)に悶絶。

自分は牡蠣NGでビビり撮り忘れてしまったが、他全員牡蠣のショートパスタがぶっちぎりだったらしい。

約1名がグラスワインを頼み、それがメチャうますぎて結局1本丸飲み。

今のところお値段以上。わざわざ遠野を目指してよいレストラン。

ただひとつ。我々は時間無制限で大いに盛り上がったが、開始12時~デザートまで約3時間、シェフひとりで6人だからそうなるよね。

AZUMANE SOKO

とにかく増え続ける勝負レストラン。

素材にこだわり手間暇惜しまず独創性に富む。

食材に敬意を払い慈愛に満ちた料理はじんわり沁みるしダイレクトに旨味を感じる。

いよいよ素材が80パー決める世代突入。

手を加えすぎたものよりシンプルが好き。

古代小麦パンが絶品。めちゃくちゃ美味い。

併設するパン屋は行列店となり元気と勇気が必要(気力が追い付かない)。

レックスが囚われた過去に/アビゲイル ディーン

レックスが囚われた過去に | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

サスペンスの括りかなー?

とにかく痛く重苦しくどんどん沈み込んで浮上はない。

いやそれは絶対無理でしょうレベル。

極端な例とはいえ日本において現在進行形真っただ中である「子供に宗教を強要するという虐待」ともリンクするのでその角度から読むと一層刺さる。

宗教に限らず親は子供を支配し所有する権限があると勘違いする思考に問題があるわけで、学校では親であれ相容れない思想にNOと言う権利があることを教える時代なのかな、と思う。

嫉妬/事件・・・アニー・エルノー

嫉妬/事件 | 種類,ハヤカワepi文庫 | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

2022年ノーベル文学賞アニーさんてどんな人?好奇心で読み始め。

嫉妬は、

まんま、どストレート危ない女性のお話。

決して手放した男を取り戻したいわけではないだろうに、相手女性に対抗心募らせ、妄想が醜態に至る狂気スレスレまで追い込まれる様を描く。

くわばらくわばら。

事件は、

中絶が禁止されていた時代の闇が、ある意味リアルホラー&スプラッターで恐ろしい。

今まさにアメリカが揺れているが、後戻りしては絶対アカンと強く思う。

悲しみや怒りがその感情にのみ込まれてしまわない強さは、労働者階級から知識階級に属すまでの並々ならぬ努力と誇りあってこそなのだろう。

忍耐と冷静な自己分析が強く鋭く読み取れる。

京都土産

コロナで一気にお取り寄せ規模は拡大したが、今なお現地のみ販売もあって、、、

今回は注目のコンフィズリーエスパスキンゾー(レジェンド西原金蔵氏の店舗)に(1時間!)並んでもらった。ありがたや~

パート・ド・クルスティヤン!

プラリーヌ!

ひとつひとつ丁寧に手作りしている様子をテレビで拝見しましたデスヨ。

外はシャリーン、中はプルプルリン、

黒豆が優おいスイ~~

これこれ!派手さはないけど慈愛満ち満ち。癒される。

こちらは伊勢丹に入った(!)末富のどら焼き。パッケージも脱伝統大胆な女子映え狙い。驚きの速さで時代が変わった感。日持ちも長く配る小土産にピッタリサイズ。

とはいえ軽く衝撃モヤモヤ。

こちらも配り用のサイズ価格がジャストなハイアットリージェンシー&半兵衛麩コラボのふィナンシェ。

ちょっと塩味効いた一口サイズで店名の高級感も加わり女子喜ぶタイプ。

 

京都の老舗であれど時代の波に乗り遅れてはならぬ現実を目の当たりにし、商売の奥に触れる。

かくて彼女はヘレンとなった/キャロライン B クーニー

かくて彼女はヘレンとなった | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン (hayakawa-online.co.jp)

ひとり暮らしを満喫していたおばちゃまがひょんなことから事件に巻き込まれ、見事事件を解決するであろう風の出だし。

ほどなく彼女が封印していた過去の黒歴史の意外にひどく困惑(=全く予想外)し同時一気に引き込まれる。

この初老の彼女は過去も現在も変わらず非力で、善良な人特有の策略が一枚も二枚も上手の悪党に全て見透かされハラハラの連続である。

中流リタイア組の町の暮らしと50、60年代の保守的アメリカの時代風景を交互に絡ませ、現在と過去の事件が同時進行し面白さ倍増である。

ハード描写は一切ないのに悪党の腹黒さが際立ち、今までにない切り口が新鮮で感動すら覚える。

サンセット・パーク/ポール・オースター

bookwalker.jp

まあまあ普通の人々を淡々と描くが、退屈になりかけた頃「は?」とか「え?」みたいな釘が打ち込まれ、都度都度眠気が吹き飛ぶ。

実は社会に大きな影響を及ぼすほどではない小さな曲者揃いで、この少々変わり者たちのちょっとだけ妙な日常がタラタラ続きモヤモヤしたまま終わる。

その続きは大ごとにならないだろうし、知らなくてかまわない。

ミニエッグカスタード月餅

ヒルの卵で作ったザ・ペニンシュラブティック&カフェの月餅。

ホロホロ食感は月餅だが、カステラをギュギュと凝縮し、木の実ひと粒の侵入すら許さぬ濃厚卵卵風味。

確かに鶏卵とはチト違うような?

にしても高級ショートケーキひとつ分の値段に震え、容易に飲み込めるシロモノではない。

警視正バンクロフト(あえて)シーズン2

シーズン1の「警視」バンクロフトがシーズン2で「警視正」に置き換えられていることに気づき、見る以前にまずガツンと一発食らう。

シーズン1もなかなかのけものみちであったが、シーズン2では狂気が想像以上にレベルアップしていて、ゾンビより遥か怖いレディたちに心底身震い。

果たして悪は滅びるのか、網をすり抜けしぶとく生き延びるのか、その気になれば塀の先のストーリーを描くシーズン3の製作も不可能ではないはず。

やはり英国ミステリーは構成緻密で役者に力があり見応え十分。

久々細部に至るまで記憶に深く鋭く刻まれたミステリーであった。

裏切り(上下)・・・シャルロッテ・リンク

www.tsogen.co.jp

久々に新作が出たら読みたい作家出現。

上巻は間違いなく一気に引き込まれる。後半は少々トーンダウンするが小細工なし堂々たる正統派であるのは間違いない。

特筆は主要登場人物数名の像が極めて詳細丁重に描かれていること。

負け犬、劣等感、日々ストレスに苛まれる心情にナルホド納得感高し。

ファニーゲーム様の伏線を絡ませ事件の本質に迫っていく過程は緻密で読み応え十分。