天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マーサ、あるいはマーシー・メイ

エスカレートするカルトと深い洗脳と終わりなきフラッシュバック、 典型的な狂気の行進である。 脳の奥まで入り込んだ菌を完全除去することは不可能なのだろう。 一度思考を他人に委ねてしまうと、己の力でコントロールする能力が退化、舵取り不能となって魂は生涯彷徨い続けるのだ…

ザ・マスター

ダニエル・デイ・ルイスに近いホアキンがものすごい。 ダニエルは演技者として非の打ち所なしだが、ホアキンは素から魅力がほとばしる。 巧者フィリップ・シーモア・ホフマンの執拗な絡みによる緊張の継続、演技バトルの緊迫したせめぎ合いに巻き込まれる。 役者が柔であれば理屈と退屈にまみれた…

ぼくを葬る

冒頭からオゾンの分身であると強く感じる。 マイノリティであっても人類最大の本能、子孫を残す思いは同じ。 身勝手は生存本能。祖母とかわす鋭利な会話は刃の如く哲学的だ。 微々たる充足、寂しくささやかであるが、満ち足りた気持ちに包まれ自然に還る、穏やかな死…

ヒストリー・オブ・バイオレンス

観たい観たいと切望していたコレ。レンタルショップでついに発見 !! クローネンバーグもヴィゴも決して裏切らない。 このラストのためにヴィゴは必須だったとも言える程。震える。 バイオレンスが深い。イースタン・プロミスと双璧。 裾を少し崩し意地悪く茶化すとタランティーノやロドリゲスに変形する。…