天井桟敷

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千の輝く太陽・・・カーレドホッセイニ

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長い間他国から干渉され続けたアフガニスタン悲劇の歴史がやっと好転し始めた(かに見えた)2007年の出版であることがひどく悲しい。

2021年の今、誰もが当時と全く別な感想を抱くこととなる。この度のタリバンの国内掌握により、本書当初の意図は完全に転覆し読者は大海原に放たれ漂流し途方に暮れてしまう。

1970年代相当な男尊社会で子供のため暴力や虐待にひたすら耐える女性たちが描かれ、難民キャンプの過酷な様子に心痛むばかりだったが、ラストに確かな光はあったのだ。

世界にはどれほど絶望が溢れているか知ることとなる。