天井桟敷

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セロニアス・モンク

過去一時期。かなり聞いていたが。動きまわる本人を見たのははじめて。小柄で神経質であろうと勝手に思いこんでいた人物像とかなりかけ離れていて驚驚!以前ドキュメンタリーで見た無邪気なピカソ同様、正真正銘真性芸術家であった。
彼にとってはピアノが全て。それ以外のことには全く無頓着でひとりではなんにもできない。…もんで10代の頃から付き合っている妻と金持ち白人の愛人のふたりで彼の身の回りを世話し、その深い愛情と母性の真綿でしっかり包み彼を支えたのである。

ピアノから離れ、ちょこんと帽子をかぶりオドオドする彼はまるで指をくわえた臆病な子供そのもので、ある種の女性にとって彼はまさに「守ってあげたい!」メーターの針がバリバリ振りきれるタイプ。ピュアで繊細。そして‥深刻な躁鬱病
最期。突然。一切ピアノを弾くのをやめることにしたその穏やかな表情はまるで霞喰う仙人の如く。。。
初めて聞いたのは『ソロ・モンク』。コーヒー飲み飲み店内に飾ってあったジャケを眺めた後レコード店に直行。しかしソロ・モンクを名前と勘違い、モンクのソロであることに気づいたのはかなり検索した後。
ずっと。曲のイメージは『子犬のワルツ』。音がやけにペタペタすると感じていたが、見ると指の腹で弾いてんじゃん!!しかも汗拭きながら。でもとにかく今すぐ!続きが弾きたくてハンカチ持ったまま鍵盤をたたいてる!!
コレ¥690。…想像以上にドラマチックだった。通常音楽系ドキュメント映像は見ない主義だが(ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』くらい)パッケージひっくり返して見たら製作総指揮クリント・イーストウッドとある!そりゃ即買いでしょ!
ジャズマニア・イーストウッドのピアノも相当!プロ級の腕らしい。