天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

えいが サ行

ジャージーボーイズ

http://youtu.be/toarcsqfrl4 ストーリーは想像以上ではないし、ドラマチックな演出もないが、 フランキーヴァリ役ジョンロイドヤングの憂いに満ちた表情と豊かな歌声に金縛り、それ以外なにもいらない圧巻。 フォーシーズンズ キラッキラの名曲シェリー、恋のハリキリボーイ、恋はヤセがまん、そしてヴァリ、…

17歳

17歳ラインは今も昔も変わらずオトナコドモの境界であり不安定極まりない。ぽい。 フランス語のセリフと歌はアンニュイ。 ものすごく定石でオゾンらしいシニカルで斜に構えた感もなくアレ?と思う。 迷える10代の秀作は多く、その域にはない。 とはいえ主役は誰の目にも美しい。 http://y…

ゼログラビティ

http://i1.ytimg.com/vi/8v7hAYyZdOA/default.jpg 3Dメガネ装着鑑賞。 冒頭の宇宙空間は楽しく体感。しかし、ドッカーンガリガリバリバリな緊迫場面に気を取られ、立体感めっきり剥がれる。或いは慣れ。結局サンドラは絶対女王シガニーウィーバー超えならず。おセンチだしエンドハッピー…

ジャンゴ 繋がれざる者

タランティーノですもの。間違いなし。 なんと言ってもヴァルツ様。まったく非の打ちどころなし。 ジェイミー・フォックスも初々しさを残しながらシャイに熱演。 しかし。やはりレオ様。 何か肝心なものが足りない。流れ乱して違和感抱かせる怪訝キャラという設定なら正解だろう。 歯の作…

The We and The I

エターナルサンシャイン、僕らの未来へ逆回転、など独特の旋律奏でるミシェル・ゴンドリー最新作。 学期を終えたハイスクールの悪ガキをギッシリ詰め込んだバス内で繰り広げられる爆裂青春劇。 秩序もルールもないバカバカしい若さは起承転結もなく破天荒だが、眺め続けて全く飽きない。 そもそ…

ザ・マスター

ダニエル・デイ・ルイスに近いホアキンがものすごい。 ダニエルは演技者として非の打ち所なしだが、ホアキンは素から魅力がほとばしる。 巧者フィリップ・シーモア・ホフマンの執拗な絡みによる緊張の継続、演技バトルの緊迫したせめぎ合いに巻き込まれる。 役者が柔であれば理屈と退屈にまみれた…

世界にひとつのプレイバック

誰が、というより、アニマル・キングダムのジャッキー・ウィーバー、デニーロ、クリス・タッカーなど曲者が脇役としてフラットに淡々演技しているところがいい。 若干アダム・サンドラーとカブる場面もあったが、ブラッドリー・クーパーの躁鬱病もなかなか上出来。 ラストがメロメロに流れてしまったのが唯一残念。

スコット・ピルグリム vs 邪悪な元カレ軍団

パーツもキャラもギャグもセンスもソコソコなんだが、とにかく長すぎ。 コレを2時間やられチャー飽きる。あれもこれも入れたいハズせない気持ちはよ ーくわかるが、実は少し喰い足りないぐらいがちょうどいいのだ。 いっそチャックみたいなTVシリーズにしちゃって、毎回ひとりの元カレと…

しあわせの雨傘

年を重ねてなおもカトリーヌ・ドヌーブはチャーミングである。 そんな生き方にイイネ押しどころ満載である。 一見一歩引いて見えるお飾りブルジョワ奥さんが、実は格段上手、男ってホント 単純おバカというストーリーは、猛女バージョン以上にスカッと感がある。 悪意など微塵もなくスッと切り捨…

白いリボン

ファニー・ゲームU.S.A以降ミヒャエル・ハネケにドキドキ。 隠された記憶では漠然とした不安、ファニーゲームでは不安を超越した絶望的 恐怖を、今回は積み重ねては崩し、チラ見せしては隠し、あえて答えず、ソワソ ワ落ち着かない小さな不安を全編に散らし、悪意と嫉妬、傲慢と暴挙、虚栄 …

シングルマン

ハデとは無縁、融通の利かないデクノボウぽいイメージだったコリン・ファーズの真髄見たり。 その演技に酔う。 突然愛する者を失った深い悲しみ、弱い者同士がもたれあう、空虚の果ての決意、かすかな光の積み重ねが生きる力を呼び起こしていく過程、それぞれの場面を丁寧…

ソーシャルネットワーク

現代におけるネット界を牛耳る野望と、太古より世界征服を企む野望と、なん ら変わらぬ人間構図であるところが大変おもしろい。 ほぼ室内劇であり、役者の演技力とセリフのみで全編に漲るこの迫力、この 緊迫感である。 配役がすばらしい、主役のジェシー・アイゼンバーグ…

人生万歳

アレン節はマッタク衰え知らず。 恋愛論も人生論も遥か達観の域。 恋して嘆き悩んで、その度自分をポジティブに修正しながら人生は続く。 力を抜いて流れに抗わない、躓き倒れても埃を払ってまた歩き出す。 今回も先の読めない展開と弾丸トーク、軽い衝撃の重ね具合が心…

ゾンビランド

マヌケな主人公とコワカワゾンビを笑い飛ばす単純コメディ。 記憶に留まらないお手軽ギャグ連発はむしろ爽快感あり。

ザ・ロード

長い長い絶望の果て、人はどこまで人らしさを失わず生きられるのか。 その道には幾多もの苦難の仕掛けがあり、標識もなければ終わりもなく、父 と息子はただ漠然と南を目指す。 それは人生を指しているのかもしれないし、徳や信仰の深さを試す道程な のかも…

ジェニファーズ・ボディ

脚本よし。キャストよし。たいへんおもしろかった。 だらだら感やしつこさがなく、エロチックなセリフは人格をよく捉えており、勝 負球は全てキレあるストレート。 気っ風のよさといい、啖呵の切り具合といい、エロい表現といい、女性監督 ながらロドリゲス…

セックス・クラブ

この邦題はいかがなものか。原作がファイト・クラブの作者という繋がりが、おそらく。 インタビューでも触れていたけど主要俳優が的確に適役。 サム・ロックウェルはとてもいい役者だし、アンジェリカ・ヒューストンはいくつになってもカッコイイ。 ケイト・ブランシェット似のケリー・マクドナルドも、よくやったと…

17歳の肖像

子供と大人の狭間は子供として最後の悪あがき、か、人生最大のバカをや りかねないスリリングな時期である。 そのさりげない仕草やセリフにビターな記憶が蘇り大いに共感してしまう。 親が人生を仕切る退屈な暮らしの中に、突然エセ紳士登場で一気に怪しい 空気が漂う。 …

シャーロックホームズ

これがガイ・リッチーとは!驚き。 テンポよし、主役よし、バランスよし、とにかく出来がいい。 ロバート・ダウニーJrがノリにノッていてグイグイ引っ張る。今まさに旬といったところ。 比べてジュード・ロウが鈍い。ロバート・ダウニーを受けとめきれない。絆コンビとしてかなり違和感がある。 以…

死霊の棲む森

ブレアウィッチの監督の新作、という理由でレンタル。 エリザベス・ハーノイズ他美女とナイスガイを揃え、キチンとしたストーリーと教科書のような展開は後味爽快。 トワイライトのオカルト版みたいな見やすさ。 ギャッと叫ぶ場面はないが、ドキドキ感と緊張を最後までキープしながら誰もが納得のラストに突入。…

G.I.ジョー

うーん。 チャニング・テイタムくんはなかなかキュートなんだが、かなり退屈。 ストーリーもキャラクターも戦闘もアルアルなカンジで底がスケスケ。 続編作るつもりみたいだけど、よほどのサプライズがなきゃ見ないゾよ。 ハリウッド進出イ・ビョンホン、通例に漏れず中途半端な忍者装束、手裏剣刀の洗礼を受…

そんな彼なら捨てちゃえば?

TVシリーズを映画にしたみたい、 アルアル恋愛模様、 なんだが、 コレがなかなかおもしろかった。 監督誰ー? と思えば、 前作あの、旅するジーンズと16歳の夏、を撮ったケン・クワピスかえ?! ああ、そんな匂いですわ、 特にやわらかい、ヒダっぽいところがよく描けてます。 アッサ…

それでも恋するバルセロナ

アカデミーを拒否しているにせよ、 彼の作品はもっともっと高く評価されてしかるべき。 なぜこれほどの作品がいかなる賞をもカスらないか不思議でたまらない。 タッチはあくまで軽く、その恋愛観は深い。 彼の映画でスカーレット・ヨハンソンは瑞々しい大輪を咲かせ最高級フェロモンを…

スタートレック

あ―サスガ、やっぱりJ.J.エイブラムス、でありました。 思いきったTVっぽいユルさで、時空を越えた待ち伏せとか、乗員のボケ具合とか、オネエチャンたちのタイトなミニスカとか、元祖スポックとか、ニヤリなテク満載でした。 TVシリーズのノリでカナリ楽しめるんですが―そのノリにしちゃ―チョイと長くね?…

スラムドッグ$ミリオネア

あのダニー・ボイル?にわかに信じがたい、 インド映画のようなたどたどしさ、ものすごいベタな純愛が逆に新鮮なのかも。 そんな作りを狙ったとするなら、この人かなり、である。 イーストウッドの硫黄島もマッタク違和感がなかったし、コレもきっとそうなんだろう。 ものすごいク…

その男は、静かな隣人

ダサすぎクリスチャン・スレイターに驚く。 悲観と絶望と精神異常の果て銃をブッ放す。 そんな具合の流れに新鮮味はマッタクない。 予想通りの展開と結末は拍子抜け。 女を武器にのし上がったエリシャ・カスバートを徹底的に弄ったらずっとおもしろくなったはず。 絶望を野望に変えるハ…

スピード・レーサー

デコ電並。限度ギリギリのキラキラと色彩のシャワーそしてスピードに圧倒され。あっという間に仮想空間へ誘われる。 考えてる暇なくAボタンンBボタン連射で加速しジャンプしスピンする。メチャクチャ楽しい。のひとこと。 ウォシャウスキー兄弟。サスガ新境地切り込み隊長。 マトリックス流回転カメラ超スロー格…

サウスランド・テイルズ

久しぶりに血の気の多い哲系を観て10才は若返ったね。理解できなくてもそれはそれで。一向にかまわない。 役者のインパクトがアリアリ。ジャスティン・ティンバレークに驚く。あのミュージカルはサスガと言うほかない。サイボーグか?はたまたアニメか?なプロレスラー ドウェイン・ジョンソンもマッタク人間に見え…

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

『リトル・ミス・サンシャイン』のポール・ダノ。必ず。しなる竹になる。と思ってた。かのダニエル・デイ・ルイス様を堂々平手で張り倒す場面は実に印象深い。このふたりと。これもなかなかどうして!な子役のおかげで飽きずに長尺を見終えたが、後半部の急…

潜水服は蝶の夢を見る

ELLEの編集長であった人物が脳梗塞で倒れ、唯一動かせる左瞼を使って自伝を綴る。実話である。その前向きで強い生き様には無論感服であるが、医療関係者や家族、辛抱強く瞼の動きを読み綴る協力者の手厚いサポートに感銘を受ける。達観は容易に至らないが。でき…