天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

羊飼いの暮らし・・・ジェイムズ・リーバンクス

そもそもイギリスで今だ羊飼いという職業が脈々受け継がれている事実に驚く。

著者は代々続く羊飼いの家に生まれ、学校より立派なファーマーになるべく家の手伝いに従事するが、本と出合ったことで学問に開眼、海軍に入隊し学費を貯めオックスフォード大へ進学。都会で猛勉強する中徐々に自分のルーツやアイデンティティに強く囚われ、卒業後迷うことなく家業を継ぐ。

湖水地方の美しく過酷な春夏秋冬と羊の出産から死、由緒ある品評会の様子や、食肉まで、気候に翻弄され成果もあれば失敗も数々、年中休む暇もなくハードすぎる仕事がリアルに綴られるが、それゆえ自然の中で生きる充実感、努力が報われた達成感は計り知れず。

羊飼いと言えばハイジしか思い当たらない者には驚きと尊敬の連続であり、異次元の別世界である。

ツイッターで現在のフェルの様子を見ることができる。

@herdyshepherd1

ハップとレナード シーズン1

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アマゾンプライムを絞りつくす。

fireTVスティック購入、あっという間にリスト山積。

手始め危険なふたりをチョイス。これが大穴、アメリカTVシリーズとして久々大ヒット。

小説もなかなかの人気らしいが1988年テキサスの田舎、日雇い労働、根強いヘイト、幼馴染の腐った友情とユーモアの妙がやたらゴンゴン響く。

ふたりの日常会話だけでも十分楽しめるが、まったくもって怪しすぎる儲け話にロドリゲス風バイオレンスとサイケなエロチックが交錯し、後半はレッドゾーンどっぷり。

やれやれ終わったはずがスムーズな流れでシーズン2の罠にハマって思わずニヤリ。

ネオン・デーモン

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おっと久々ニコラス・ウィンディング・レフン

前半はキレのいいモードな映像にこだわり、こわいこわいモデル社会の裏側をスタイリッシュに描くが、終盤いきなり狂気のバイオレンスに反転。

彼の男の美学、映像美に強く惹かれたが、アレックスレベルの鉄拳に進展するとは意外。

いじった美の醜悪さ、生粋の美の優越に対する嫌悪感満載である。

このような視覚的刺激だけで押してはじき飽きられる。

カフェ・ソサエティ

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キュンキュンはらはらソワソワもんもん

いくつになっても不動普遍の恋愛金字塔。

今回も役者のクセがスゴイ。

スティーブカレルはマシューマコノヒー的変貌を遂げ、クリステンスチュワートは何かいいことないか子猫ちゃん。

清涼感タップリほんわかほろ苦やるせない恋バナが涼しい。

Epicerie Citron(エピスリーシトロン)

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近隣から肴町の十三 日(トミカ)に移転してすっかりご無沙汰。やっと訪問。

古民家を改築した店内は店主の人柄とセンスそのまま落ち着いたオシャレな空間。さすがです。

平日11時開店と同時ジワジワ席が埋まり12時出る頃には老若男女で満席。

連れはドライカレー、自分は日替わり(唐揚げプラス惣菜2品選択)

野菜メインの惣菜は見た目も味もパーフェクト。とても美味い。間違いなく市内屈指。

スイーツもそそられたが先にさくらんぼ狩りで既に水分満腹、今回は断念。

カフェから格段の進化を遂げ、もっと大きく飛躍する可能性高し。

この先もずっと野心的に前進成長してほしい。

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はじまりへの旅

hajimari-tabi.jp

資本主義を忌み嫌い、子供たちと獣を狩り家畜を育て、森で徹底した自給自足生活を営み、自衛訓練と高等教育をも叩き込む。父を演じるヴィゴがやっぱりすごい。

父の期待に応えようと必死に頑張る子供達は皆愛らしく、対峙する妹夫妻、祖父母の愛も実は深い。

純真で逞しく理想郷ファミリーを目指すが、大多数である社会との適正な適応はゼロであり、絶対で完璧な教育などないと気づかされる。

次男の振る舞いは佳作モスキートコーストのリバーフェニックスを思い起こす(涙)。

ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲 Kindle版

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ついにkindle購入。

決め手はアマゾンプライム月1無料。

ここ1年買ってヨカッタ!№1

重量からの解放、しおりいらず、メモ、マーキング、語句の検索、なかでも最大メリットは照射光角度のイラつきなし。むしろ暗闇で集中度アップ(寝落ちも早かったりする)

早速1冊(無料)

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鳥頭紀行時大ファンだった今話題の西原理恵子と高須氏ラブラブのナゾを探るべくスピンオフ版を指定。

曲者サイバラの心をガッチリ掴んだ高須氏の経歴、人柄、人生観を簡素にまとめたこの1冊で、彼の全てを包み込む大らかな愛とふたりが惹かれた必然にポンと納得。

終始控えめでやさしさと慈しみ溢れる恋愛書である。

ヒルビリー・エレジー ・・・ J・D・ヴァンス

ヒルビリー・エレジー J・D・ヴァンス、関根光宏/訳、山田文/訳 | ノンフィクション、学芸 | 光文社

映画ウィンターズ・ボーンで初めて知ったアメリカ白人貧困層ヒルビリー。

にわかに信じがたい実情であるが、この町を這いだしシリコンバレー投資会社社長まで上り詰めた人物の実話とあって大変興味深く読んだ。

貧困には違いないが、前半はさすがにリスを撃ってシチューにするほどの赤貧に匹敵する見せ場はなく、家族のルーツや停滞した泥のような地域性が淡々と綴られる。

ところが海軍に入隊し外部と接触することで広く世の中を知り、自分の可能性に気づくところから人生が劇的に転換する。

本人が冷静に分析しているように、学はなくても強い信念を持ち守ってくれた親族の愛情が根底にあり、その後も真摯に取り組むことで信頼を得た結果、その実力と実績で多くの助け導いてくれる人に出会うことができた。

淀んだ泥沼から抜け出せたのは、いくつもの小さな幸運ととてつもない努力の結果ではあるが、この小さな援助を国の政策レベルとして取り入れるなら、貧困層の子供たちの未来は変わると訴える。

とはいえ今、近い将来この拡大しすぎた貧富の溝が縮まるという希望が持てないのも事実である。

カワトク催事 BAR DEL SOLE 横山千尋氏

www.mitsukoshi-special.com

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今年もイタリア物産展土日連チャン。

ものすごく美味しい。幸せに包まれ頭シビレたまま思考固まる。

神の手としか言いようがない。

初めてのマロッキーノ。

ナント下層はチーズ!スチームクリームを乗っけてから中間層にエスプレッソを流し込む。飲む前にかき混ぜ飲するが、チーズとエスプレッソの境がふるふる震え、いとおかし。

恋する惑星

人生最後の一杯は彼のカプチーノで〆たい(かなり本気)。

そして誰もいなくなった

youtu.be

幾度となく舞台化映画化されたミステリーを蒸し返すには大いなる勇気と自信が必要である。

一度も見たことがない方々にはそこそこ響くかもしれない。

筋書を知る者はもっぱら捻りや内面の深堀り、演技を比較するわけだが。

おののきや不安や恐怖がイマイチ緩慢で、驚くような切り口や新解釈もなし、映像も規制一歩手前で寸止めされたような印象を受ける。