子供と大人の狭間は子供として最後の悪あがき、か、人生最大のバカをや
りかねないスリリングな時期である。
そのさりげない仕草やセリフにビターな記憶が蘇り大いに共感してしまう。
親が人生を仕切る退屈な暮らしの中に、突然エセ紳士登場で一気に怪しい
空気が漂う。
ここで危険と好奇心の渦に省みることなくダイブするのが子供、先を見通せ
るのが大人、の境なのか。
美術はオープニングアニメから小物に至るまでセンス溢れ、音楽はクラブ歌手の曲
まで抜かりなし。
俳優陣は脇まで手堅く、同調し調和がとれていてお見事。
結末をアッサリ早回し、余韻残さず終わってしまったのが残念、というか潔い。