天井桟敷

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無実(上下)‥ジョン・グリシャム

無実 (上) (ゴマ文庫)

静かな街で残虐な殺人事件が起き、早期解決を望む地元住民感情のプレッシャーの中、警察は事件から5年後証拠不十分のまま二人の男を逮捕する。
直感と思い込み以外何もない。にもかかわらず、検察側は証言と証拠を強引にねつ造し、弁護料を払うことができないが故、ひとりは無期、ひとりは死刑の有罪判決を受ける。
これほどずさんな捜査で死刑執行直前まで追いつめられた経緯の衝撃。

絶望と狂気の狭間から冤罪を勝ち取るまでの長い長い時間と険しい過程にふたり同様憔悴し。
無罪を勝ち取った後の無駄に過ぎ去った時間とストレスに痛めつけられた精神の残骸に消失感と焦燥感を禁じ得ない。

そして劣悪な環境と絶望の中を生き抜いた先に単純な喜びは全く見いだせない。

ジョン・グリシャム初のノンフイクションであるが。今後はフィクションに立ち戻る。とあった。
誰もが納得の解決ではないのだ。
新犯人は今だ捕まっていない。
よって警察はふたりを捜査上から除外せず、今だ彼らが犯人だと思っている地元住民は多いのである。