天井桟敷

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ぼくは怖くない

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少年ミケーレがたったひとりで決断した大いなる勇気と正義の物語である。子供達の過剰装飾演技は一切なし。シンプルだが味わいは豊か。

どこまでも続く青い空と雲。そして昼は黄金色に波立ち、夜になれば真っ黒な闇に覆われる広大な麦畑。まずそこに広がるなんでもない自然の美しさにすっかり心を奪われてしまう。
次いで。子供達の愛らしさ、子供って本来こうであろう姿が遊びを通して描かれる。ボスのいいなりになる大人達の縮図が子供間でも同様に展開されるのだが。

父母が犯罪に荷担していることに心を痛め、子供を脅し、拳と銃を振り回すその仲間達に屈せず、『行動を起こす』ことを決意し『怖い気持ち』を振り切るその姿がとにかく凛と美しい。
途中「きみは天使か?」と聞かれ、自分の非力さに「天使じゃない!」と苦悩し絶望するのだが、最後は天使じゃなくてもちゃんと正しい行いができることに気づくのである。

走れメロス”のように子供にもすんなり受け容れられる内容デ―ス。