天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

ジャーヘッド

なんとなく…もうベトナムは遠い過去となってしまい、風化が進んでるな―っと痛感。兵士らが『地獄の黙示録』の映画を見ながら「パンパカパ~ン」の大合唱で盛り上がる様(次に登場の『ディア・ハンター』はご愛敬)や、待機中の弛み、狙撃より爆撃という大ざっぱな作戦の横行に驚かされる。
今回も『アメリカン・ビュティー』同様、サム・メンデスのドライなキレは冴えまくり、見せる角度、細やかなセリフが印象深い。『アメリカン・ビューティ』では妄想が中核、独白で進行していたのだが、特典で見たスオフォードの妄想と独白は全てカット。実際、あえて語らせなくてもジェイク・ギレンホールの表情、表現は抜群。彼って実にユニーク。
そしてエンディング・ロール。またまたカニエ。カッコイイ。主に90年代
の曲が挿入されているサントラもおもしろい。
湾岸戦争は簡単にカタがついたように見えたが、イラクに移行した戦いはハデハデな爆撃や銃撃では決して解決できない、ベトナム同様
底の見えない泥沼に入り込んでしまった。果たして次回目にするのはイラクか?アフガニスタンか?チェチェンか?無機質で利なき新たな戦争映画はつづく。。。