天井桟敷

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キング・オブ・ホラーその1

世のスティーブン・キング・中毒患者の皆々様同様。私も彼のホラーに限ってほとんどの品を取り揃えております。

きっかけは今や大監督様になってしまったデ・パルマ最強二流映画
『キャリー』とキューブリック大先生の豪華絢爛『シャイニング』。こんなによくできた映画なのに!!『原作者がすごく怒ってる』なるコメントを見て、真相を確かめるべく分厚い『シャイニング』を手にとった次第。

今回は作者入魂のこの一品。『シャイニング』ですチャ。。。

「ものすご~く怖いいいッッ!!」大傑作ホラー。どのくらい怖いかって?最初からザワザワする胸騒ぎ止まず後半から結末にかけて頭の中がキンキン軋み、口の中はカラっカラで心臓大バクテン。…ってとこ。

冬季に閉鎖される由緒正しきホテルの管理人を引き受けた一家3人の一冬未満のお話。

晩秋。従業員らは3人を残し冬季休暇に入る。1ヶ月もすると道路が閉鎖され完全に雪の中の孤島となってしまった頃。古いホテルに染みついた数々の血と怨念がじわり動き始め、父ジャックはしだいにその邪気に侵食され狂気に囚われていく。存在を確かに感じる『何か』と度重なるジャックの奇行に怯える妻子。生まれながらシャイニング(感じる力)を持つがゆえ見たくないものが見え、聞きたくない声が聞こえる幼い息子ダニーの恐怖が軸。ホテルに潜む『何か』はジャックの心に易々と入り込み執拗に妻子の不実とお仕置きの仕方について親しみ込めて囁き続ける。結果ついにジャックの自我が崩れ一線を越えてしまう。
過去にホテルで起こった忌まわしい出来事の数々。その歪んだ邪気に正気を蝕まれていくジャックの様に、読み手は凍り付き酸欠状態に陥ること必至です。

実は出版者側から1ランク安い値段で出版する手段として執拗に説得されて削除したプロローグが存在する。後にその3つのプロットがいきなり雑誌に掲載されたが。ジャック幼少の件は必要であったかもしれない。

映画『シャイニング』。

キング本人は不満タラタラだったらしいが(その結果TVシリーズまで作られたが…私的にはコレこそイマイチ…)、原作を読まずに
見れば上質で上品で一分の隙もなく。なによりものすごく怖い。キューブリック的解釈とホラーセンスは一級品である。原作の植木に手を加え『迷路』が加えられたため、原作中最も重要なボイラー場面が抜き取られ、ラストがまったく違う印象になっている。しかしこちらのラストも実に印象深い。流れがスムーズでダニーの危機回避も完璧であった。

さらに特筆すべきは絶品の美術。華やかなロビー、ラウンジ、ダンス、特に金色にきらめくバーでジャックに酒を勧めるバーテンダーの顔が輝くシーン。ジャック・ニコルソンもそこにいるだけで十二分にオソロシ―のだが、このバーテンダーの表情は忘れがたい。

完璧主義のキューブリックらしい仕上がりですごく気に入っている。