天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

オリーヴ・キタリッジ

「またやっちまった」もどかしさと共感に心掻きむしられる。

分厚い壁を築いて他人を寄せつけないオリーヴは自己表現が不器用だが、その実激しく愛情を欲している故妙ちきりんな変わり者として敬遠される。

ファーゴのフランシス・マクドーマンドの無骨な凄みとリチャード・ジェンキンスの信じがたい善良ぶりに唸る。

普段着の人々の些細な出来事をこれほど深く突いた作品は初めて。かも。

原作はピュリッツァー賞である。紙しかない。それでも買うしかない。