天井桟敷

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出口のない農場・・・サイモン・ベケット

出口のない農場

イギリスの作家はしっくり感バツグンである。
個性派刑事は登場せず、当事者目線で互いの忌まわしい隠し事が並行して暴かれる流れはかなり美味しい。
まず刑事の個性ありき、とりまく環境の刷り込みがやたら水っぽく感じていたこの頃。
ミステリー読み過ぎ深読みのハラハラをことごくハズしつつ不安と恐れをヒタヒタ持続したまま、絶望と忍耐と後悔、わずかな希望を描く。
その結末に納得できたら良書、という意味で優良書である。