天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

昔々、アナトリアで

表面上ギャグともとれるセリフの端々に各々の問題が見え隠れするが、進行するにつれけっこう深い部分を突いてくる。

天使のように美しい娘も結局辺鄙な村で朽ち果てる。件はよくよく無常を指していて感心した。

家なき丘を数十キロも縫って走る舗装道路や素朴な住民、貧しい暮らし、文化の遅れ、後ほどトルコ郊外と知る。体毛も瞳も濃黒、彫深く、険しい眼差しは厳しい生きざまをより鮮明に映す。