ダニエル・デイ・ルイスに近いホアキンがものすごい。
ダニエルは演技者として非の打ち所なしだが、ホアキンは素から魅力がほとばしる。
巧者フィリップ・シーモア・ホフマンの執拗な絡みによる緊張の継続、演技バトルの緊迫したせめぎ合いに巻き込まれる。
役者が柔であれば理屈と退屈にまみれた見るに耐えない映画になったであろう、俳優にとって難易度高い脚本である。
カルト集団の教祖と精神を病む者は互いにもたれあい安定したバランスを保とうと試みるが何度も失敗を繰り返す。
野生の鳥を籠の中で支配することは不可能なのだ。
なりきったホアキンに圧倒されっぱなしで2時間が経過する。