天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

シングルマン

ハデとは無縁、融通の利かないデクノボウぽいイメージだったコリン・ファーズの真髄見たり。

その演技に酔う。

突然愛する者を失った深い悲しみ、弱い者同士がもたれあう、空虚の果ての決意、かすかな光の積み重ねが生きる力を呼び起こしていく過程、それぞれの場面を丁寧に的確に、静かな演技で紡いでゆく。

彼は常にマイペースだったのだ。きっとこの先も。