一度芽生えた疑いは、見聞きするもの全て想像の餌となり、こと容易に人を受け入れない人間を虜にして離さない。
確たる証拠もなく思い込みだけが暴走し、巨大な妄想モンスターと化してしまう滑稽、
カトリックと性的虐待、保守派と革新派の対峙がスリリング。
疑惑は疑惑のまま唐突に終わる。
ここで、あゝこれは舞台なのか、と気づく。
東の雄フィリップ・シーモア・ホフマン、余裕綽々の演技がニクイ。
ちなみに西はダニエル・デイ・ルイス。
メリル・ストリープはやはり氷冷なシリアスで本領を発揮する。