天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

ファニーゲームU.S.A

時計仕掛けのオレンジ。のようでもあり、カポーティの冷血。のようでもある。

ただひたすら不快を煽られるが目が離せない。

兄弟か双子のような同種ふたりの息があった殺戮お楽しみゲームである。

純粋に徹底した残虐性ゆえ救いはなく、上級のゲーマーらしく趣向を凝らし経験値を上げていく様を見せつけられる。

家族は絶望し命乞いをし、ポールは時折カメラに向かって「あなたはどうするか?」と問いかけてくる。

しかし全権はポールが掌握しておりどう見ても悲劇は揺るぎない。

以前ミヒャエル・ハネケの隠された記憶。を観た。そちらは終始不安の霧に包まれたままであったが、こちらは遠くまで見通せる。結末もハッキリ見える。わかっていても最後までどうしても見届けたい。

ナオミ・ワッツは相変わらずクサいが、ポールとピーターのふたり、そして子役がすばらしい。