原作は深く、脚本がすばらしい出来であるだけに、この心理劇は役者の力量が大いに問われるものとなった。
ケイト・ウィンスレットはよくがんばった、かもしれないが物足りない、力不足を感じる。
デカプリオは相変わらず、技術はあってもまるで魂入れをしていない仏像のよう。
個性溢れる演技派の役者を使っていたならもっと多くの賞を取れたハズ。
サム・メンデスらしい皮肉溢れる仕上がりではあるが、セリフの言い回しや目線、意味を含んだ演技、これ見よがしの小細工が今回もやたら鼻につく。ラストも同様。
久々共感できる内容であっただけに、多少わかりにくくても観客に媚びない作りにしてほしかった。
アメリカン・ビューティでは自信家ケビン・スペイシーの過剰演技が気になってしょうがなかったが、今作は人気者の若いふたりにとっては難解で荷が重すぎたように思う。