天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

アウェイ・フロム・ハー君を想う

長年連れ添った妻が認知症になり、近く遠くで見守る夫の物語。

ある時は髪振り乱しながら施設の男に恋をし。

またある時は若い頃を彷彿させる美しさで夫を迎え入れる。

記憶の断片は浮遊物のように彷徨い、痛みを伴う過去を引きずり出したかと思えば凛とした輝きを放つカケラを手渡す。

懺悔と救いを求める気持ちが痛い。

導きも結論もない。誰も助言することはできない。

そもそも人生と折り合いをつけること自体相当難しい。