ヒュー・ジャックマンは本来舞台が得意であるらしい。
そちらでの評判がすこぶる高いにもかかわらず、セリフ少なく特殊メイクと派手な戦いが主であるXメンで彼の力量は全く掴めなかった。
しかし今作はストーリー自体にそう力はないもの、役者の力量のおかげでキッチリ見せる映画に仕上がっており、そういう意味で彼の演技力はなるほど納得であった。クリスチャン・ベール、マイケル・ケインもしかりである。
実験的瞬間移動がイマイチ幼稚で興ざめするもの、マジックの競いがしだいに足の引っ張り合いになり、手段を選ばぬところにまで行きつくクリストファー・ノーラン特有のダークで汚い人間性の描きが実にオモシロくあった。