天井桟敷

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恥辱…J.M.クッツェー

恥辱

些細な屈辱を振り切るつもりが恥辱まみれなる男の話である。
己の恥ずかしい欲望と行為には関せず、自分外の恥ずべき行いには激しく反応する。
最初の悪さを除き、南アという背景も相
まってこの数々の辱めにほとんど口を挟む余地が。ない。
これは恥ずかしい行為でこれは正当化される行為だという線が引けないのだ。
この初老の男に自分を重ねるのは容易だ。
それ故安易な欲望に流され、あるいは不毛な行為に及ぶ彼をただひたすら目で追うことになる。