天井桟敷

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風の影…カルロス・ルイス サフォン

風の影 上

いわゆる型にはまった欧米ものとはひと味違う空気感。舞台はバルセロナなのだが、異質の異臭が漂う。
どす黒い時代背景にありながら、少年から大人に成長してなお失われることのないダニエルの繊細な純粋さが、最後まで微動だにしないことが最大の核。
腹黒い人物。怪しげな人物。善良な人物。が複雑に交錯し、一昔前の悲恋と相まって煩雑でありながら、最後までキチンと読ませる不思議。

スカッとしなくてもかまわない人にオススメ。