天井桟敷

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スーパーマン・リターンズ

スーパーマン リターンズ

ブライアン・シンガーがX-MEN3を蹴って撮りあげた映画である。

クリストファー・リーヴ夫妻への念が随所にあふれる丁寧丁重な作り。

本当に彼は体が動かなくなってからもスーパーマンのように愛と正義に満ちた生活を送っていたのだ。そして彼に最後まで寄り添った奥様も後を追うようにお亡くなりになり、そのふたりに対する最大級壮大なオマージュ作品に仕上げたのである。
その思い。…同感。

ブランドン・ラウスのスーパーマンは本当にすばらしかった。
でしゃばりがちのケビン・スペイシーのあざとさは影を潜め、目ヂカラで悪役を控えめに好演。
特に後頭部にピエロの入れ墨を持つ男のピアノ連弾のシーンと船が海中に沈むシーンが秀。

めちゃくちゃな破壊、過激な暴力、過剰なアクションなく、緊張感と恐怖をオーソドックスな手法で見事描ききったブライアン・シンガーは本当にエライ!!
すでにゲイであることを公言し問題発言も多々。でもこのどこまでもまっすぐ実直な彼の作品は心に染みる。