天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

旅するジーンズと16歳の夏

雑誌評では『隠れた傑作』『評価低すぎ』とあったのだが。ちと半信半疑。なにせパッケージのジーンズ臀部と少女達が抱き合う写真が軽すぎ。“旅”“ジーンズ”“16歳”のキーワードもクサすぎてコワイ。

ところがと―んだ掘り出し物だった。

いつも一緒だった親友4人が16歳の夏休みに初めて離ればなれに。それぞれが違った場所で全く異なる経験をしながら自ら考え成長していく様が描かれている。定石どおりであるものどっしりとした安定感あり。どうしても叶わない望みもあるし止められない死もある。最後いつまでもべったり親友ではいられないかもね的オトナ香を匂わせるあたりなど終始甘さも控えめ。

それにしてもギリシャの風景が絶品!!なんなんだ―!!この青い空!青い海!白い家並み!…美しすぎる~…そこで繰り広げられるごくごく定番ロマンスが『ギリシャ』スパイスふりかけただけで『ギリシャの休日』フルコースに早変わりだよ~。夢みてぇ~だ~。こんなとこに住んでいたら‥あたしだって365日。日々情熱的な恋して過ごすよ。

でもちょっと意地悪な見方をすれば、原作を尊重した精神面重視のあまり生々しい描写は極力排除(画的にエッチ系は×ってこと)、そこだけボカシが入った親のお墨付き映画!っぽくなってしまったところが難だったかな~。