天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

エリザベスタウン

あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウらしい爽快感が随所にあふれているのに…未熟者オーランド・ブルームを手堅い脇役と手厚い脚本で保護してなんとかしのいだ感が否めない。『爽やか人気アイドル主演!』が柱の映画ですから、こーんなヘナチョコ!カリスマ・シューズ・デザイナーに社運を賭ける会社なんてあり得ない!!…などと怒るのは筋違いなのでしょう。そうとはいえ手慣れた演技派キルステン・ダンストの的確なリードによって事なきを得たもの、明らかに役者として力不足であることを露呈。ラブシーン、セリフ、踊り。どれもいけません。せっかくチャンスが目の前に転がっているのに。いつまでも動物の赤ちゃんみたいな瞳だけを売りにしていては、すぐに顔だけアイドルが陥る四次元スポットにはまりこんでしまうことでしょう。