天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

ル・レーヴ・アンシュマン

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銀座ソニーパーク近、空也の通り。

月替わりコース4800円のみ。

シェフの電話応対がコワイ系だったのでちょっと構えて行ったら大阪のご出身で「あー納得」

乱雑気味の狭すぎる厨房に響く奮闘の息遣いと関西弁がすごく近い。

熱ふあチュロスからスタート。

出来立てが3歩で並ぶので熱いものは熱ままライブ感が半端ない。

どれもおいしい。

シェフと世間話をしながら食べるカジュアルフレンチのなんと心地よいこと。

すごく気に入っちゃったもんねー。

10.31. ポールマッカートニー2018 Freshen Up

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1年半ぶり4度目。

今回もvenus&mars願い叶わず。

というか、あれほどお宝楽曲を多数抱えながらガッチリ固定された不動のセットリスト及びМCに新展開は期待できないことを確信。

管楽器とツインギターで包み、支えて守る体制。

生The Endの枯れ具合に沈み。

次回。

1パーセントの望みに賭けるか?思い出に引きこもるか?悩ましい。

二重螺旋の恋人

youtu.be

冒頭からR18+攻め。

オゾンのプロットはさにらに研ぎ澄まされ毒は美学にすり替わり、一瞬たりと画面から目を逸らすことができぬほど感服。

熱い鉄のような病的美女は“17歳”に続き2度目の起用マリーヌヴァクト。

今年最高評価の前作“婚約者の友人”と。

どっち?どっちどっち?

またしてオゾンの術中にハマりガンガンチカチカしながらフラフラ帰途。

ノクターナル・アニマルズ・・・オースティン・ライト

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元夫から送られてきた凄惨小説と並行し改めて過去現在の自分を分析することで悶々とドツボにハマッてしまう主婦の苦悩を綴る。ジェイクギレンホール映画の原作。

自己肯定が強くプライド高い人格に苛立ちを覚えるし、現実的すぎるラストもこの先ずっと変わらない彼女が見えて不快。

スッキリしない不完全燃焼小説である。(そこが魅力なのか?)

プラサッジョ

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ランチで何度か伺ったご近所のお店。

頼んでいたのはパスタ(オンリー)ランチ。

食いしん坊女子会にて今回はコース注文。

衝撃。目からスズキの鱗。

ここで食べるべきはコレ!

ふあふあモッツァレラから始まり皮パリッのスズキ、テリーヌ、臭みなし弾力が魅力羊のショーン!濃厚海老パスタに〆のティラミスまで。

間違いなく夜は凄みが増しそう。

是非試したい。

IQ・・・ジョー・イデ

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久々の正統派ハードボイルド。

1本筋の通ったズバ抜け頭脳の若き黒人探偵が依頼人ラッパーを取り巻く権力利権抗争に対峙する。

彼が探偵業を営むことになった過去の経緯と現在をちまちま行き来する最近の手法は好みじゃないが、結果的に要点がよくまとまり全てキッチリ収まった感はある。

ストーリーが極めてシンプルで人物像も単純明解でモヤモヤイライラストレスレス。

妙に捻らず曇りなき透明感の好感度は高い。

火星の人類学者・・・オリヴァー・サックス

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火の鳥未来編様の全色盲の画家やメメントなど多数の映画に描かれた直前記憶を留められない患者、感情に欠点はあるが、ズバ抜けた才能を持つ人物など驚くべき脳内不思議の数々が描かれる。

著者は映画レナードの朝の原作者で脳神経科医だが、興味本位に喰いつかせる症例の羅列ではない。感情を理解するため書物を読み解き教科書として学習する姿や、並み外れた勤勉さと実直さで周りの信頼を勝ち取る姿に敬意を払いそっと寄り添う。

平行線に思える互いの距離も理解することで良好な関係を築くことができることを学ぶ。

勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧幻の三連覇 ・・・ 中村計

「勝ち過ぎた監督 駒大苫小牧 幻の三連覇」特設サイト| 集英社新書

「勝ち過ぎた監督」書影

夏の高校野球金足農業の快進撃とスター軍団大阪桐蔭のそつなく揺るぎない圧勝で大いに盛り上がった。

それ以前深く記憶に刻まれた試合筆頭はやはり駒大苫小牧vs早実戦だろう。

斎藤祐樹も素晴らしかったが、あれからすっかり田中将大の大ファンである。

以後駒大苫小牧の甲子園代表はパタと途絶え不思議に思っていた。

私学という複雑な組織の中、監督業の大変さは薄々想像したが、勝てば勝つほど些細な事が大事に化け、魑魅魍魎に憑りつかれて身動きがとれなくなる孤独と疎外感はかなり深刻なものであった。

この本はまさに天国と地獄、アラビアのロレンス前篇後編の体である。

初めて白河の関を超え優勝旗が北海道に渡るまでの波に乗りきった前半と、頂点に立つ者に対する強い当たり、過剰なバッシングで歯車が狂い転がり落ちてゆく後半と。

香田誉士史監督の熱い人と為りを語りつつ、甲子園で勝ち続けることが学校をがんじがらめにし、多くの人を混乱に陥れ、捻じれに捻じれた現象を描く。勝って喜びもつかの間、妬み嫉み足を引っ張り地に叩きつける社会の残酷も嘆かわしい。

監督業は決して並大抵の神経で指揮を執ることができない過酷で孤立無援な仕事であることに衝撃を受ける。

次回はぜひ大阪桐蔭西谷浩一監督本をお願いしたい。

竹芳。アンティカトラットリアイナバ。東京土産。

 

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先日竹芳で羊羹を購入した際、奥のテーブルでマダム達がかき氷をシャクシャクしてる現場を目撃、友人を誘って再訪。

めっきり涼しくもあり、生菓子とお抹茶セットを注文。店の片隅テーブルなので長居はできないがホッとおやつにちょうどいい。

サービスに付いたブレンド玄米茶(塩分含む)のオリジナル度が高くお試し購入。

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さらに土日連チャンでイナバどんだけー

話題にすると皆行きたがるのでしょうがない。

パスタもドルチェも日々変化するので問題なし。ニョッキも美味し。

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ねんりん家のバウムとバターバトラーのフィナンシェを頂く。

ごちそうさま。

漂流 ・・・ 吉村昭

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イッキ読み。

難破漂流火山島漂着。

江戸時代の実録らしいが盛りすぎない脚色は臨場感満載である。

あまりの過酷に幸か不幸かの境界が薄れ、不屈や希望、人間の底力を見る。

改めて。

強い者だけが生き延びる。