天井桟敷

食。映画。音楽。本。旅。そしてベタ。

カジュアル・ベイカンシー


あっと驚く衝撃性もなく平坦の先にある結末の歯切れも悪い。にしてもJKローリングが力量ある作家に思え小説を読む気になりかけたが、あまりの評価真っ二つに尻込み。
よほど文章力がなければ(苦手なカズオ イシグロ同類説もあり)起伏のない些細な事件ばかり読み進めるのはかったるい気もする。
小さな田舎町に混雑する人種、貧困ドラッグ、家族友人の愛憎、正義と利権は絶えず小さな小競り合いを繰り返しドラマその先も果てることはない。
各々のキャラは個性的でありながら調和のとれた俳優陣と日常目線を崩さない姿勢は好感度が高い。

スニッファー シーズン1

http://mystery.co.jp/programs/the_sniffer
スニファー ウクライナの私立探偵
チョイとかじるつもりがひと呼吸で深みにハマり。
ウクライナそのもの、全く未知の衣食住文化言語、お国柄全てが新鮮、ガッチリ囚われ。
欧米ぽいポピューラーな顔立ちの主役以外のキャラがムチャクチャ濃い。所々差し込まれるキツそーーーな彫深美女軍団のセクシーショット、組織も呆れる女にだらしない相棒などいい具合の抜け感も持ち合わせ。
事件性も欧米に全く引けを取らず。1話完結だがそれぞれの事情が余韻を引っ張る。
才能と努力と情熱溢れる者は人種問わず万人を惹きつける。

温(nuku)・・・奥州市

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こがねパンとユニバースの間に住宅のような隠れ家のようなナゾの建物。
どうやらカフェとインテリアショップを兼ねてる風、営業はPM2時~夜に重点を置いてるぽい。
http://crosslab.seesaa.net/article/434254654.html
和み系グッズに囲まれた店内は狭く3~4組がせいぜい。
ネルドリップ珈琲がとっっても美味。おつまみの炒り豆も合う合う。
おひとり様でも。ワンコ同伴でも。

ヘイル、シーザー!

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http://hailcaesar.jp/
古き華やかハリウッドのオマージュとパロディの融合。終始クスクス時折大爆。
飛び抜けたユーモアセンスと絶妙の抜け感と軽快なテンポ全て満点。
ひとりハードボイルドのジョシュ、ウザさ満載暑苦しすぎるジョージクルーニー、エロかわスカヨハ、訛りキッついカウボーイ、そして燦然輝くチャニング(ずっと善き作品群の大波に乗っかってる)、それぞれが主役張る短編をうまい具合繋ぎ合わせたかの如し。
辛くも悪ノリぎりぎり踏みとどまる笑いのセンスこそ彼ら最大の魅力。
今までもこれからも。よろしくコーエン。

悪意の糸・・・マーガレット・ミラー

悪意の糸
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488247089
途中犯人はおおよそ割れるが、人物情景描写の巧みによりいよいよ結論など些細に思える。
不倫してる人間が善き人として描かれていたり、刑事が平気で職権乱用したり、その意外すぎる設定にやられる。
ここまで読むとなんとしても全作読み切りたいが、創元推理文庫の再版をひたすら偲び祈るのみである。

13 誘拐事件ファイル

サーティーン/13 誘拐事件ファイル [DVD]
誘拐され13年間監禁されていた少女が逃げ出す場面から始まる。
癒しと適応を模索する最中、同一犯による幼女誘拐事件が発生、おぞましい体験を執拗に探られ傷口を深くえぐられ露見する真実は痛ましく、身を挺し自らを差し出す覚悟は残酷で耐えがたい。
家族友人の苦悩と再生ドラマとしても周到で、細部の人物描写も見ごたえタップリ。
BBCは決して期待を裏切らない。

狙った獣・・・マーガレット・ミラー

狙った獣
どれを読んでも新鮮で刺激的。
形容詞の巧みと旋律のような流れ、とにかく文体に惹かれたまま最後まで淀まない。
出だしからぼんやり予想できるプロットだが、やはり結末より過程がずっと面白い。
中身は濃厚だがやはり量的八分目、食い足りなさを感じる。
今のところ途中も結末も眩暈だらけの「まるで天使のような」が最優秀。


ドライ・ボーンズ・・・トム・ボウマン

ドライ・ボーンズ
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞なんだ?これが?
審査員の趣味もあるだろうが自分はダメだ。
亡き女房ラヴの湿気た身の上話と不器用で冴えない捜査の果てがこの犯人??で、この始末。
たかが400ページ、読んでも読んでも終わらない地獄。
新人賞は必ず選ばなければならないものなのか?

銀河食堂。銀河のしずく。

以前より気になっていたJA直営食堂。
このたび岩手オリジナル開発※銀河のしずく(特A米認定)※新米が食べられると聞きつけて駆けつけ。
行列15分程並んで着席。店内が狭い。
鶏から揚げとサバ煮込みハーフを注文してワクワク待った後。
目の前に置かれたシャリの美しさにしばし見惚れる。照明効果だろうか?ピッカピカでツヤッツヤでプリップリ。
高い評価と溢れんばかりの期待、絶妙の炊き具合(固め)のノリノリ効果で感慨ひとしお。
友が白米だけでイケると言うので右に倣う。
モチっと力強い弾力、これぞ米本来の旨味、あっと言う間に一杯ぺろり。
おかわり無料で※ひとめぼれ※が食べられるためこの日に限り糖質制限解除、存分白米を食らう決意。
鯖味噌煮も美味い。
食後リンゴのコンポートと県産牛乳付き。追加で頼んだコーヒー、リンゴジュースは150円。さすがJA。
お得と満足と満腹。必ずまた行く。
Eyht5309

ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK

「ザ・ビートルズ...」の画像検索結果
http://thebeatles-eightdaysaweek.jp/
特典シェイスタジアムのライブは泣きそうだった。
いつの日か彼らの軌跡を映画化する計画はあるだろう。しかしこれほどのドキュメント映像が存在し神ってるパワーを目の当たりにしてはリアルを超える物語の創造など相当難儀であり愚かであると思う。
二次元フィルムですら彼らの放つ強烈な光とカリスマ性になす術もなく茫然と魅了され終始圧倒される。
彼らの曲は今も昔も変わらず束縛の鎖を容易にぶった切り心解き放つ魔力を持つ。
何十年経っても何度繰り返し見て聴いても新鮮な感動に包まれる。
アイドル時代のツアー地獄から最後の屋上ライブまでのわずか10年、50も老けたかような精神の劇的変貌には胸が痛むが、これほど見事ドラマチックな起承転結もない。
ぜひ劇場でご覧いただきたい。